頑張るパパママの薬のみかた

現役薬剤師は頑張るパパママのつよーい味方

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

たかが肺炎、されど肺炎  高齢者は要注意! 成人用肺炎球菌ワクチンのすすめ

肺炎はよく名のしれた疾患の一つですが、高齢者にとっては命に係わる疾患です。この肺炎を予防することを目的とたワクチンがあります。 成人用肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®)は肺炎球菌が原因となって起こる高齢者の肺炎などの発病や重症化を防ぐた…

2歳までにほぼ全員が感染する⁉ 知らないと怖いRSウイルス感染症

RS(Respiratory Syncytial)ウイルス感染症は、RSウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症です。生後1歳までに約半数、2歳までにはほぼ全員がRSウイルスの初感染を受けると言われています。生後数週間から数ヶ月の時期に感染すると、気管支炎や…

妊婦の貧血に対する治療

妊娠期に起こりやすい症状の一つに貧血があります。胎児の成長に伴う栄養素の需要増加および循環血流量の増加が貧血を引き起こす主な要因と言われています。 さらに、悪阻による食事量の低下、服用中の薬剤の影響、分娩時出血なども原因になりえます。 血液…

【薬剤師向け】レンバチニブの適応拡大

2021年3月23日、レンバチニブ(レンビマ®)について、切除不能な胸腺癌へ適応拡大が承認されたことが発表されました。切除不能な胸腺癌を対象に治療薬が承認されたのは世界で初めてです。レンバチニブは胸腺癌以外に、甲状腺癌、肝細胞癌に対して使用される…

レナリドミド(レブラミド®)  ~現役薬剤師のひとりごと~

レナリドミドはサリドマイドの同類薬であり、催奇形性があると言われる薬の一つです。 多発性骨髄腫の治療成績の向上に寄与するとされる薬ですが、サリドマイドと同様に厳重な管理のもと使用される必要があります。現に医療者側だけでなく、服用する患者や家…

【薬剤師向け】多発性骨髄腫

●多発性骨髄腫とは多発性骨髄腫(MM:Multiple Myeloma)は、血液がんのひとつで、血液細胞の一つである形質細胞のがんです。形質細胞は骨髄でつくられる血液細胞のうち白血球の一種であるBリンパ球から分化してできる細胞です。形質細胞には体内に侵入した…

サリドマイドの効能 ~現役薬剤師のひとりごと~

サリドマイドは胎児に重大な障害を引き起こすことが知られています。妊娠中の女性がサリドマイドを服用すると、胎児の成長が妨げられ、手や足の短い被害児や耳の聞こえない被害児がうまれることがあります。 その他、胎児の内臓の発達が妨げられ、生後1年以…

サリドマイドから米国を救った人物とは

サリドマイド事件とは1950年代末から1960年代初めに世界中で多くの胎児がサリドマイドという医薬品の副作用による被害を受けた薬害事件です。 被害を受けた胎児の多くは死産、あるいは四肢や聴覚、臓器に障害をおって生まれてきました。日本でも約千人が被害…