頑張るパパママの薬のみかた

現役薬剤師は頑張るパパママのつよーい味方

あなたの飲んでいる【睡眠薬】飲み過ぎではないですか?このまま飲み続けて大丈夫⁉

なにかとストレスの多い現代社会。不眠が続いて、体調を壊すこともあるでしょう。

 

そんな時、つい頼りたくなるのが睡眠薬です。

 

ドラッグストアなどで購入できる市販の睡眠薬もありますし、病院など医療機関で処方される睡眠薬もあります。

 

本当に困った時には頼りになる睡眠薬ですが、飲み続けると体にはよくないことが起こる可能性があるのも事実です。

できるだけ睡眠薬の使用は少なくしたいものです。

 

今回は不眠についてわかりやすく解説するとともに、不眠の対処法を紹介したいと思います。

 

 

 

不眠のタイプ

一言に不眠といってもタイプがあり、大きく分けると次のようになります。

入眠困難  

いわゆる寝付きが悪いというタイプの不眠です。布団に入ってもなかなか寝付けず、30分~1時間以上起きているような不眠です。

中途覚醒

いったん眠りについても起床時間までに何度も目が覚めてしまうタイプの不眠です。

早朝覚醒

起きようと思っていた時間よりも2時間以上も早く起きてしまい、その後眠れないタイプの不眠です。

・熟眠障害

眠りが浅く、睡眠時間の割に熟睡した感じが得られないタイプの不眠です。

 

 

不眠の原因

不眠の原因、それは様々です!

 

 運動不足、ストレス、興奮、高血圧、心疾患、呼吸器疾患、睡眠時無呼吸症候群うつ病、カフェイン、薬の副作用など、実に様々なのです。

 

一つの原因で不眠になる場合もれば、複数の要因が重なって不眠をきたす場合もあります。

 

不眠への対処法

 不眠が問題となってくるのは、何日も何週間も続く場合です。

 

一過性の不眠であれば気にする必要はありません。子どもの頃に、明日が遠足だからと眠れなかったことはありませんか?そういった場合にわざわざ対処する必要はありません。

新年度や引っ越しなどで生活環境が変わった時など、ストレスで眠れないという方もいるかもしれません。

しかし、徐々になれてくるようなストレスの場合、気にしなくてもよい場合もあります。

 

不眠が長期間続き、体調にも変化が出てくるような場合は対処が必要です。

 

まずは不眠の原因を取り除きましょう。原因がなくなれば、不眠はおのずと治るはずです。とはいっても、そんなに簡単ではないのが不眠ですよね。

 

原因を完全に取り除くことができないということも多いでしょう。

 

原因を取り除く取り組みと同時に行っていただきたいのが、生活習慣の改善です。

  

・とにかく生活リズムを確立しましょう

    起床時間、就寝時間は一定に!

体内時計が正しく時を刻めるように努力しましょう。

体内リズムを整える簡単な方法は、起床時間と就寝時間を一定にすることです。可能であれば、食事の時間も一定にするようにしましょう。

 

日光を浴びることも大切です。日光を浴びることでメラトニンの生成が促進され、体内リズムを整えることにつながります。

・ストレス発散!

不眠の原因の多くはストレスです。

 

心因的要因が強い不眠の場合、いかにストレスを発散できるかがキーになります。

 

完全にストレスフリーの生活を送ることは難しいでしょうから、自分に合ったストレス発散法を見つけましょう。

 

・適度な運動

運動などによってエネルギー消費量が上がると、それに比例して体は疲労し、休養を必要とします。その結果、寝付きがよくなるでしょう。

 

また、実は肥満は不眠と関係します。

肥満は睡眠時無呼吸症候群の原因の一つとしてもあげられています。

 

適度な運動により適正な体重を維持することも不眠を解消するうえでは重要です。

 

 

・適温の入浴

熱すぎない程よい温度のお湯でリラックスしながらの入浴もおすすめです。

 

体が一度暖まってから徐々に冷えていくと、眠気を生じると言われているためです。

 

ただし、熱すぎるお湯での入浴は禁物です。逆に体が興奮してしまい、眠れなくなることがあります。

 

・寝る前にスマホを見ない

スマートフォンの画面などブルーライトを発するものを寝る前に見るのはやめましょう。

ブルーライトの刺激でメラトニンの分泌が抑制され、寝付きが悪くなると言われています。

 

 

 

不眠の原因も取り除いた(あるいは軽減した)、生活習慣も改善した、それでも不眠に悩まされる場合に、睡眠薬による治療を検討します。

 

 

睡眠薬の種類

大きく分けると市販(一般用医薬品)の睡眠薬、病院で処方される薬(医療用医薬品)があります。

 

一般用医薬品であれば、町の薬局やドラッグストアなどで薬剤師から購入することができます。

一方、医療用医薬品は医師の処方が必要ですから当然、病院を受診しなければなりません。

 

睡眠薬にも様々なタイプがありますが、発売されいている睡眠薬の多くは入眠困難のタイプの不眠に対して効果が高いものになります。

 

不眠のタイプや年齢、体質などによって選択すべき睡眠薬は変わってきます。

 

病院を受診して処方してもらう場合はあなたの症状から医師が判断してくれるでしょうが、市販の睡眠薬を自分で購入する場合は必ず薬剤師や登録販売者に相談したうえで決めるようにしましょう。

女性に必須の【基礎体温】測る理由と正しい測り方を詳しく紹介

基礎体温という言葉を聞いたことがありますか?

「妊娠を希望するなら基礎体温を測らないとダメだよ。」なんて言われたことがある人も多いかもしれません。

 

実は基礎体温を知ることは妊活以外にも役立つものです。

 

基礎体温を測るメリットと正しい図り方を紹介したいと思います。

 

 

基礎体温とは

基礎体温とは、最低限のエネルギーしか使っていない状態、つまり体が安静な状態にあるときの体温のことを言います。

 

人間が活動するために必要な最低体温です。

 

基本的には、起床すぐの安静状態のままの体温を基礎体温と呼びます。

 

基礎体温からわかること

基礎体温を測ることで自分の体のリズムがわかります。

約1ヶ月で変動する女性ホルモンのバランスを知ることができるので、排卵や月経などをはじめとする体内で起こっている変化やトラブルを予測でき体調管理に役立ちます。

また、病気の診断の手がかりになることもあります。日頃から基礎体温を測って、生理日の予測に役立てている方も多いでしょう。

また、排卵の有無を知ることができるため、妊活には基礎体温を測ることは必須です。

 

毎日測ることで妊娠に必要な体の変化、排卵前の「低温期」と排卵後の「高温期」を知ることができます。

排卵後に黄体から分泌される黄体ホルモンが脳の体温調節中枢に作用し、体温が上がることで高温期が訪れます。

つまり、排卵が起こると体温が上がるため、基礎体温のグラフを作成したときに高温期があれば、排卵があったということがわかります。

 

ただし、基礎体温の変動はかなり個人差があり、きれいに高温期と低温期の二相に分かれていない場合でも排卵がある方もいます。

 

 

基礎体温の測り方

基礎体温は正しく測らなければ意味がありません。正しく測るために注意する点について簡単に紹介します。

起床時に体を動かす前に寝たままの状態で測る

少しの動作でも体温は変化します。できるだけ手も動かさずに済むよう体温計は枕元などすぐに手の届くところに置いておき、起き上がらずに寝たままの状態で測りましょう。

できるだけ同じ時刻に測定するとよいでしょう。

 

舌下で測る

体温計を口にくわえて、舌の下で体温を測るようにします。

汗や外気の影響を受けにくく、体温が安定しているためです。

舌下の付け根に体温計をあて、ずれないように持って口は閉じましょう。体温を測っている間は鼻で息をするようにしましょう。

 

基礎体温計(婦人体温計)を使用する

細かい温度の変化を知るために、婦人体温計を使用するようにしましょう。

通常の体温計は「36.5℃」等と表記され、小数点以下第一位までしか測定されません。

一方、婦人体温計は「36.55℃」等のように小数点以下第二位まで表記され、より細かな体温変化を記録できます。

基礎体温をつけるときは、専用の婦人体温計を用いて正しく測るようにしましょう。

 

 

計測後は必ず記録する

体温の変化をチェックするためには必ず記録が必要です。できるだけグラフでつけるようにしましょう。

基礎体温表は薬局などでも販売されていますが、インターネットでも無料でダウンロードすることができるものもあります。

最近では、婦人体温計で測った体温の記録を専用のアプリなどに送信することでき、自動でグラフを作成できるものもあります。

基礎体温表には、基礎体温の他に月経や不正出血などを記録するとともに、体調が悪かった日や夜更かしをした日、性行をした日など普段と違うことがあれば、記録しておくようにしましょう。

どんなことが自分の体温に影響するのかがわかりやすくなります。

 

さいごに

基礎体温の測り方や測ることでわかることについて紹介しました。基礎体温を知るということは、自分のからだを知る第一歩でもあります。

婦人科を受診すると、ほとんどの場合、基礎体温をつけているかを問われます。

つけていない場合は測ってくださいねと言われることが多いです。また、普段から測定している場合は受診時にグラフを持参するとよいでしょう。

 

妊娠を希望する場合はもちろんですが、そうではない場合でも基礎体温をはかることで自分のからだのリズムを把握してみましょう。

たかが便秘、されど便秘 ~周産期の女性の便秘は周りがサポート~

便秘に苦しむ女性は多いでしょう。

妊婦さんであれ、それは変わりません。

むしろ、妊娠中はホルモンバランスの変化や、子宮増大による圧迫により、腸管の蠕動運動が低下することで便秘が起こりやすくなります。

 

今回は、妊娠中に便秘が起こる理由を簡単に解説するとともに、対処法について紹介したいと思います。

 

 

妊娠と便秘の関係

妊娠初期は、プロゲステロンの分泌量が増加した影響で腸管の蠕動運動が低下します。

また、つわりに伴う食事や水分摂取量の低下も便秘を引き起こす要因になります。

 

妊娠を経験した女性なら理解できるかもしれませんが、妊娠中に「おなかに力を入れるのが怖い」という思いを抱く妊婦も少なくありません。

 

このような理由が妊娠初期の便秘の原因になりえます。

 

 

また、妊娠中期および後期は物理的に腸管が子宮により圧迫されるために蠕動運動が低下します。

 

 

さらに、出産後も便秘はつきものです。それは母乳により水分量が相対的に少なくなること、育児のために便意を我慢する機会が増えてしまうこと、不規則な生活、こういったことが便秘を悪化させます。

 

便秘を予防するには

便秘を予防するために、まずは生活習慣の改善が望まれます。

以下のようなことを心がけてみましょう。

 

・十分な水分摂取

水分摂取は便秘予防では必須です。適切な水分がなければ便もカチカチになってしまい、なかなか出てきてくれません。

 

特に子育て中はトイレをなるべく減らしたい気持ちはわかりますが、できるだけ水分を摂るよう心がけましょう。

 

・食物繊維

食物繊維は便秘の改善に役立ちます。できるだけ、食物繊維の多い食事を摂るようにしましょう。

 

食物繊維に限らずバランスのとれた食事を摂ることは、便秘改善のためだけでなく健康に過ごすために必要です。

 

・適度な運動

便秘の改善には適度な運動が必要です。ただし、主治医により安静を指示されている場合は、主治医の指示を優先して下さい。

 

・規則正しい生活

育児中はどうしても不規則な生活を強いられてしまいます。「規則正しい」をストレスに感じるほど意識する必要はありませんが、可能であればある程度の規則正しい生活を心がけてみましょう。これには旦那さんの応援も必要ですよね!

 

 

生活習慣を改善しても駄目なら薬の使用もアリ

生活習慣を改善しても便秘が続く場合は、便秘薬を使ってみましょう。

 

通常、妊娠中に使う薬で第一に考える薬は酸化マグネシウムという便秘薬です。酸化マグネシウムは浸透圧性下剤に分類される便秘薬で、腸管から体内へと吸収される水分を腸管内に保持し、便に水分をたくさん含ませることで便を軟らかくする作用があります。

 

それでも効果が不十分な場合にセンノシドなどの刺激性下剤が用いられます。センノシドは大腸でレインアンスロンになると大腸の蠕動運動を亢進させる作用があります。

 

近年、便秘薬の開発は劇的にすすんでおり、様々なタイプの便秘薬が発売されています。妊婦に使える薬も徐々に増えてくるでしょう。

 

便秘薬は市販薬としても発売されていますが、購入する際には薬剤師や登録販売者に妊娠中であることを伝えた上で選んでもらうようにしましょう。もしくは、主治医の先生に処方してもらうようにしましょう。

 

 

 

たかが便秘、されど便秘。

実は便秘による腹痛で救急搬送されるという事例もあるんです。

救急車で運ばれたあげく、便秘が原因でしたとなると、拍子抜けですよね。でも便秘を侮ってはいけません。

 

便秘の改善には生活習慣の改善が重要です。一人で抱え込まず、旦那さんや家族など周りの人に頼っていきましょう!

おむつかぶれは永遠の課題

昔に比べるとおむつの性能がかなり向上しており、おむつかぶれのトラブルは少なくなってきています。

とはいっても、おむつかぶれは乳児のトラブルとしてはとても多いものであることには変わりありません。

ほとんどの乳児が一度は経験していると言われるほどで、新生児~乳児期にかけて最も頻度の高い皮膚疾患です。

 

子育てを頑張るお父さんお母さんにとっても、頭を悩ます問題の一つかもしれません。

 

今回は、おむつかぶれについてまとめてみたいと思います。

 

 

おむつかぶれの原因

 

乳幼児の皮膚は成人に比べ非常に薄いのが特徴です。

 

そのため、もともと機械的な刺激に弱く、また皮膚のバリア機能が未熟なため、接触性皮膚炎が起こりやすいのです。

 

さらにおむつの中は、汗や尿で蒸れやすく、そこに尿中のアンモニアや便による刺激、おむつのよる摩擦、清拭による機会刺激などが加わることでおむつかぶれが起こるのです。

 

 

 

おむつかぶれの予防

・湿潤環境を是正する

・肌への刺激となる汚染物との接触を減らす

 

具体的な対策としては、おむつの中を頻回に確認し、排尿や排便をしているときはおむつをこまめに取り換えることが最も重要です。

 

 

さらに、時間的猶予がある場合などには以下のことにも注意してみましょう。

・おしり拭きでごしごし拭かず、シャワーなどで洗い流す。その後、ガーゼや綿タオルでやさしく押し拭きをする。

・お尻が乾いてから新しいおむつに換える

・白色ワセリンなどを塗る

 

 

 

おむつかぶれの治療

・おむつ交換時にお尻をきれいにした後、白色ワセリンを塗る

・すでに皮膚炎を起こしている箇所には亜鉛華軟膏やアズノール軟膏などを塗る

・おむつかぶれの程度がひどい場合にはステロイドが含まれる軟膏剤を使用することがある

 

おむつかぶれと間違われやすい疾患

 

・皮膚カンジダ

 

カンジダという真菌(カビ)による感染症の一つです。

おむつかぶれであれば、おむつが当たる場所に湿疹が拡がります。

 

一方、皮膚カンジダ症ではおむつの中だけでなく間接の内側、脇の下、背中、首などにもみられることがあります。鼠径部や陰嚢・陰唇の基部のくびれや臀部のヒダの奥などにも赤みが出て、周囲に湿疹などを認める場合は検査してもらった方がいいかもしれません。

 

もし皮膚カンジダ症であれば抗真菌薬の軟膏剤を使用します。もしも自己判断でステロイドなどが入った軟膏を使用してしまうとカンジダ症は悪化することがあります。

 

 

 

 

最後に

赤ちゃんにとってもお母さん、お父さんにとっても、おむつかぶれに一度も悩まされなかったという人は稀でしょう。

 

命には関わることはないかもしれませんが、それでも苦痛を伴うものです。

 

たかが「おむつかぶれ」と侮ることなく、予防に努めましょう。こまめなおむつの交換が一番効果的です。

 

また、なかなか治らない場合はかかりつけの病院に相談するようにしましょう。

小児の坐薬の使い方 注意点と一工夫を紹介

坐薬というお尻にいれる薬が処方されることがあります。

 

小さなお子様の場合、飲み薬より嫌がることは少ないかもしれませんが、大人にとってはどうやって使うの?となってしまう薬の一つです。

 

今回は、坐薬の基本的な使い方から、坐薬の切り方、保管方法など詳しく紹介したいと思います。

 

 

坐薬を使う前に!

・坐薬を入れる前にできるだけ排便をすませておきましょう。

・お尻に入れる薬ですので、飲んではいけません

・使用前後は手をよく洗うようにしましょう。

 

坐薬の基本的な使い方

坐薬をお尻の穴に入れるときは、先端の細い方から差し込むように入れます。

 

お薬が出てこないように深めにいれて、最後まで入ったあとは紙などで少なくとも30秒程度は押さえておきます。

5分間ぐらいは入れた坐薬がお尻から出てきていないか確認してあげましょう。

 

 

もし入りにくい場合や、お子様が痛がる場合は、坐薬の先端を少し水で湿らせてあげたり、お尻にワセリンなどを塗ってあげたりすると入りやすくなります。

 

坐薬を入れたあとに出てきてしまったら

入れた直後にそのまま出てきてしまった場合

坐薬が溶けずにまるまる出てきてしまった場合は、入れ直してください。出てきた坐薬をそのまま使って構いません。

 

少しでも坐薬が溶けている状態で出てきた場合

坐薬が少しでも溶けている場合はすでに吸収されている可能性があります。過量投与になる可能性があるため、原則は再投与せず、そのまま子どもの様子を見ておきましょう。

 

ただし、薬によっては例えば30分後に症状が治まらなければ追加投与する場合もあります。処方された医師や薬剤師に確認しておくと安心ですね。

 

 

坐薬を半分に切って使いなさいと指示された場合は

お子さんの体重などによっては、坐薬をまるまる1個使うと量が多いときに医師から「半分に切って使用してください」あるいは「3/2に切って使用してください」と指示を受けることがあります。

 

坐薬は薬剤師があらかじめ切ってお渡しすることはなく、坐薬を切るのは使用の直前にご両親が行うことになります。

 

坐薬の切り方は諸説あります。

斜めに切る」というのが主流のようですが、個人的には「に切る」方が見た目にも半分だとわかりやすいと思います。

斜めに切るよりも横に切る方が誤差が少なくなる場合が多いと感じています。

 

斜めに切ることが推奨される理由にも諸説ありますが、一つは切った時に坐薬がボロボロになりにくいと言われていることです。

 

しかし、実感としては横に切ったときにも大きな差はないように思っています。むしろ横に切る方がきれいに切れる坐薬もあります。

 

二つ目の理由は、半分を使用する場合、斜めに切ると切った残りも使えるということです。坐薬の先が少しとがっているのは、坐薬をお尻の穴に入れやすくするためですが、坐薬を横に切ってしまうととがった部分がなくなってしまうので基本的には廃棄することになります。

 

ですが、私個人的には切った残りは衛生面も考えて、廃棄することをおすすめします。

 

三つ目の理由は斜めに切った方が上の部分(元々とがった部分)ですら、入れやすいということです。これには個人差がありますから、横に切って入れにくいと感じた場合は斜めに切ることを試してみてもよいでしょう。

 

斜めに切る場合も横に切る場合も、坐薬を取り出してからではなく、包装の上から切ると切りやすいです。坐薬は直接手に持つと滑りやすいのです。

 

坐薬の保管方法

坐薬は体温で溶けるような設計がされているものが多く、基本的には冷蔵庫保管を指示されることが多いです。しかし、薬によっては常温での保管でも問題ない場合もあります。

医師や薬剤師から指示された場合や、薬の袋に「冷所保管」などと記載されていない場合は常温で保管しましょう。

 

ただし、直射日光の当たりやすい窓際に置いたり、車内に放置したりしてはいけません。

 

 

以上、坐薬の使い方についてまとめてみました。

なかなか大人になると使用頻度の下がる剤形ですよね。わからないことがあれば、医師や薬剤師に気軽に相談してみましょう。

妊婦が【みずぼうそう】に感染したら胎児に影響するって本当!?

水痘(すいとう)」というと聞き慣れないかもしれませんが、「みずぼうそう」というと聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。「水痘」はいわゆる「みずぼうそう」のことです。

 

「妊娠中に、みずぼうそうにかかるのは良くない」という話を聞いたことはありませんか?

実は妊娠中の女性が初めてみずぼうそうに感染すると胎児に影響があるといわれています。

 

今回は、水痘について詳しくまとめてみたいと思います。

 

 

 

水痘(すいとう)とは

 

「水痘」とはいわゆる「みずぼうそう」のことです。水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症です。

 

水痘帯状疱疹ウイルスの自然宿主はヒトのみであると言われていますが、世界中に分布しているウイルスです。

 

発疹性の感染症ですが、発疹が出現する前から発熱を認め、発疹は紅斑(赤くなること)が広がり、水疱膿疱(粘性の高い液体が含まれる水疱)を経てかさぶたになり治癒するという流れが一般的です。

 

主に小児の病気であり、9歳以下での発症が90%以上であると言われています。

 

一度でも感染歴のある人には免疫ができますし、現在は子どものうちにワクチンの定期接種が行われています。

 

そのため、大人になってから感染することは極めて稀であると言われています。とはいえ、成人でも稀に水痘を発症することもあり、成人が発症した場合は重症化するリスクが高いとも言われます。

 

 

感染経路

空気感染、飛沫感染接触感染で感染します。家族内に一人でも感染者がいると全員に感染してもおかしくない感染症です。

特に感染力が強いといわれる時期は発疹出現の1~2日前から発疹出現当日です。

 

潜伏期間は約2週間

潜伏期間は約2週間程度(10~21日)ですが、免疫不全の患者さんなどでは多少長くなることもあります。

 

症状

発疹を主症状とする感染症です。

発熱からの発疹という流れが典型的で、水疱を認めることが特徴的です。

紅斑 → 水疱 → 膿疱(粘性の高い液体が含まれる水疱) → かさぶた → 治癒

上記の経過をたどることが典型的であるとされています。

 

妊婦が感染するとどうなるのか

結論からいうと、妊婦がみずぼうそうになると母子ともに危険です。

 

母体は大人になってからの感染のため、もともと重症化するリスクが高いのです。

 

さらに胎児に対しても、先天性水痘症候群と呼ばれる様々な障害を引き起こす可能性があると言われています。先天性水痘症候群の症状には、例えば皮膚瘢痕や、手足の低形成(短く生まれてくる)、眼症状白内障、小眼球症など)、神経障害などがあります。

 

特に妊娠中期にはそのリスクが高いといわれ、約1.4%程度で先天性水痘症候群を発症すると言われています。一方で、妊娠初期のリスクは中期に比べると低く、さらに妊娠後期ではほとんど発症することはないと報告されています。

 

しかし、分娩時に水痘に罹患している場合は、赤ちゃんが産道を通るときに感染してしまい「新生児水痘」を引き起こすことがあります。

 

新生児水痘の死亡率はかなり高く、分娩前に妊婦がみずぼうそうにかかってしまった際には、子宮収縮抑制剤などを用いて出産を遅らせることもあります。

 

臨月に夫や家族、そのほか身近な人がみずぼうそうや帯状疱疹と疑われる症状を発症した場合には、決して近づかないようにしてください。

 

みずぼうそうの予防

一般的にはワクチンが推奨されますが、妊娠中に水痘ワクチンは接種できません。もし可能であるならば、妊娠前に水痘ワクチンの接種を検討しましょう。

ワクチンを接種できなかったからといって、感染予防法がないわけではありません。

一般的な感染症と同じく、手洗いとうがい、マスクが感染予防の基本です。また、感染者との接触を控えることも重要です。特にお子さんが近くにいる場合は、感染している可能性が比較的高いということも覚えておきましょう。

 

もしも妊娠中にみずぼうそうにかかったら

水痘に対しては、予防的に接種するワクチン、水痘を発症した場合に症状の軽減に用いるアシクロビルが基本的に用いられる薬です。ただし、妊娠中にはワクチンの接種はできません。

妊婦の場合、発症の可能性の高い場合の発症予防と症状軽減、および先天性水痘症候群の予防に用いるグロブリンなどがあります。

 

 

最後に

妊娠中にかかると怖いと言われる水痘、いわゆる「みずぼうそう」についてまとめてみました。

現在では多くの人が子どもの時に水痘ワクチンの定期接種を受けており、水痘にかかるリスクは低くなってきています。そのため、多くの妊婦さんにとって、大きな問題ではないかもしれませんが、あなたが大丈夫でも周りの妊婦さんが必ず抗体を持っているとも限りません。

自分の子どもがみずぼうそうにかかっている時などには、自分自身も含めて家族みんなが周りの妊婦さんに接触しないように心がけることも大切です。

 

もちろん、妊婦さんお一人での感染予防には限界があります。一人で抱え込まず、周りの人と協力しながら感染対策を行うことが重要です。不安がある場合は、医師や薬剤師にも相談してみてくださいね!

子どもに目薬は2階から目薬よりも難しい⁉

子どもに薬を飲ませることはたいへんですよね。

中でも目薬は子どもが動いたり、目を閉じてしまったりして、なかなかうまくさすことができません。

 

 

薬剤師の仕事をしていると、小さなお子様をもつ親御さんから

どうやって子どもに目薬さしたらいいの?

子どもや嫌がってさせないんだけど・・

なんていう問い合わせを受けることがあります。

 

 

今回は、子どもの目薬の使い方のコツや注意点についてまとめてみましょう。

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引用:pixabay





 

 

目薬をさす前に・・・

1,必ず手洗いをして、清潔な状態で目薬を扱うようにしましょう

2,冷蔵庫から出したばかりの目薬だと、冷えすぎていて刺激になる場合があるので、少し常温に戻しておきましょう

 

3.子どもは大人の膝の上に仰向けに寝かせて、膝や股の間で子どもの頭を固定させましょう。

 

これで準備万端です。

 

目薬をさす前に、投与時の注意点を頭に入れておきましょう

 

1,できるだけ目薬の容器の先が、まつげやまぶたに触れないように気をつけましょう

2,泣いてしまった時は落ち着いてから再チャレンジしましょう

  涙でせっかくの薬液も流れてしまいます。

3,目薬の量は1滴で十分です。(本当は1滴の半分ぐらいの量で十分なので、少しぐらい流れてしまっても大丈夫です。)

4,目薬をさした後は、数分間そっと目を閉じて目頭を押さえておくのが効果的です。

 (さした後で、まばたきを繰り返したり、目をぐるぐる回したりすると、涙とともに涙道に流れてしまうことがあります)

5,2種類以上の点眼薬がある場合は、5分間の間隔をあけて使用してください。

 

 

子どもに目薬をさす方法 

さて、ここからが本題です。

子どもに目薬! 気合いを入れて、優しくさしてあげましょう。

 

方法①

目薬の先端を視野に入れない!

 

目薬は黒目の部分にさす必要はありません。白目の部分に1滴落とし、目を閉じておくことで全体に行き渡ります。

具体的な方法は実はいろいろあります。

・「あっかんべー」をさせてみる(やや視線は上向きの状態で下まぶたを引き下げることで、目の下半分に白目の部分が出てきます。そこに1滴落としてあげましょう。)

目をつぶらせた状態で下まぶたを引っ張る

(あっかんべーと同じく、下半分の白目の部分に1滴落としてあげましょう。)

・子どもが熟睡している時にさす!

(実はこの方法が一番てっとりばやいかもしれません。睡眠が浅いときには起きてしまうことがありますから、熟睡している時を狙ってみましょう。)

 

 

方法②

子どもを膝の上に寝かした状態で目をつぶら、目頭付近に2,3滴目薬を落としておく

 

子どもが目薬を見ただけで嫌がってしまうこともありますよね。そんな時は無理せず、目を閉じた状態のまま薬液を落としておきましょう。この時、目尻側ではなく、目頭(鼻側に近い部分)側に落としておくとよいでしょう。すると、子どもがパチパチとまばたきをする、あるいは大人がぐいっと指で目を開けてあげれば、勝手に目の中に入っていきます。それで十分です。

 

 

 

 さいごに

今回は、子どもに目薬をさす方法についてまとめてみました。目薬をさす時には、優しく声をかけながら素早く! これを心がけてみましょう。

 

ただし、子どもによって、工夫は千差万別です。困った時は一人で悩まず、薬剤師に相談してみてくださいね!

 

 

 

目薬の有効期限についてはコチラの記事を参考にしてください。↓↓↓

 

sakimitiharu.hatenablog.com