頑張るパパママの薬のみかた

現役薬剤師は頑張るパパママのつよーい味方

小児の坐薬の使い方 注意点と一工夫を紹介

坐薬というお尻にいれる薬が処方されることがあります。

 

小さなお子様の場合、飲み薬より嫌がることは少ないかもしれませんが、大人にとってはどうやって使うの?となってしまう薬の一つです。

 

今回は、坐薬の基本的な使い方から、坐薬の切り方、保管方法など詳しく紹介したいと思います。

 

 

坐薬を使う前に!

・坐薬を入れる前にできるだけ排便をすませておきましょう。

・お尻に入れる薬ですので、飲んではいけません

・使用前後は手をよく洗うようにしましょう。

 

坐薬の基本的な使い方

坐薬をお尻の穴に入れるときは、先端の細い方から差し込むように入れます。

 

お薬が出てこないように深めにいれて、最後まで入ったあとは紙などで少なくとも30秒程度は押さえておきます。

5分間ぐらいは入れた坐薬がお尻から出てきていないか確認してあげましょう。

 

 

もし入りにくい場合や、お子様が痛がる場合は、坐薬の先端を少し水で湿らせてあげたり、お尻にワセリンなどを塗ってあげたりすると入りやすくなります。

 

坐薬を入れたあとに出てきてしまったら

入れた直後にそのまま出てきてしまった場合

坐薬が溶けずにまるまる出てきてしまった場合は、入れ直してください。出てきた坐薬をそのまま使って構いません。

 

少しでも坐薬が溶けている状態で出てきた場合

坐薬が少しでも溶けている場合はすでに吸収されている可能性があります。過量投与になる可能性があるため、原則は再投与せず、そのまま子どもの様子を見ておきましょう。

 

ただし、薬によっては例えば30分後に症状が治まらなければ追加投与する場合もあります。処方された医師や薬剤師に確認しておくと安心ですね。

 

 

坐薬を半分に切って使いなさいと指示された場合は

お子さんの体重などによっては、坐薬をまるまる1個使うと量が多いときに医師から「半分に切って使用してください」あるいは「3/2に切って使用してください」と指示を受けることがあります。

 

坐薬は薬剤師があらかじめ切ってお渡しすることはなく、坐薬を切るのは使用の直前にご両親が行うことになります。

 

坐薬の切り方は諸説あります。

斜めに切る」というのが主流のようですが、個人的には「に切る」方が見た目にも半分だとわかりやすいと思います。

斜めに切るよりも横に切る方が誤差が少なくなる場合が多いと感じています。

 

斜めに切ることが推奨される理由にも諸説ありますが、一つは切った時に坐薬がボロボロになりにくいと言われていることです。

 

しかし、実感としては横に切ったときにも大きな差はないように思っています。むしろ横に切る方がきれいに切れる坐薬もあります。

 

二つ目の理由は、半分を使用する場合、斜めに切ると切った残りも使えるということです。坐薬の先が少しとがっているのは、坐薬をお尻の穴に入れやすくするためですが、坐薬を横に切ってしまうととがった部分がなくなってしまうので基本的には廃棄することになります。

 

ですが、私個人的には切った残りは衛生面も考えて、廃棄することをおすすめします。

 

三つ目の理由は斜めに切った方が上の部分(元々とがった部分)ですら、入れやすいということです。これには個人差がありますから、横に切って入れにくいと感じた場合は斜めに切ることを試してみてもよいでしょう。

 

斜めに切る場合も横に切る場合も、坐薬を取り出してからではなく、包装の上から切ると切りやすいです。坐薬は直接手に持つと滑りやすいのです。

 

坐薬の保管方法

坐薬は体温で溶けるような設計がされているものが多く、基本的には冷蔵庫保管を指示されることが多いです。しかし、薬によっては常温での保管でも問題ない場合もあります。

医師や薬剤師から指示された場合や、薬の袋に「冷所保管」などと記載されていない場合は常温で保管しましょう。

 

ただし、直射日光の当たりやすい窓際に置いたり、車内に放置したりしてはいけません。

 

 

以上、坐薬の使い方についてまとめてみました。

なかなか大人になると使用頻度の下がる剤形ですよね。わからないことがあれば、医師や薬剤師に気軽に相談してみましょう。