もしも子どもが薬を誤飲してしまったら⁉正しい対処法を紹介
子どもが薬を誤飲してしまう事故は毎年発生しており、後を絶ちません。
厚生労働省から公表される「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」でも、小児の誤飲事故の原因は常にタバコや医薬品が上位を占めています。
では実際に子どもが薬を誤飲してしまった時、どのような対応をとればよいのでしょうか。
子どもが薬を誤飲! まずは冷静に!
まずは、冷静になりましょう!
そして、医師や薬剤師などの専門家の指示を仰ぎましょう!
もし、子どもが薬を誤飲してしまった場合は、まずは冷静になりましょう。親がパニックを起こしてしまうと、子どもにも伝染します。
まずは落ち着いて、対応することが重要です。
最初に、お子さんの口の中を確認します。口の中にまだ薬が残っている場合は、取り出してください。
このとき、大きな声で呼びかけてしまうと、子どもがびっくりして飲み込んでしまう場合があります。そっと声をかけて口の中を確認しましょう。
そして、医師や薬剤師に連絡し、指示を仰ぎましょう。
救急病院でもよいですし、かかりつけの小児科やかかりつけ薬局がある場合はまずはそちらに連絡しても構いません。
誤飲したお薬の種類や量によっては、命に関わる場合もあります。自己判断で対応したり、またネットや他のお母さんの情報を鵜呑みにすることで、適切な対応が遅れ、症状が悪化してしまう可能性もあります。
必ずすぐに専門家に連絡しましょう。
喉にまだ薬がひっかかって詰まっている場合、窒息の恐れもあるので吐き出させるよう指示される場合があります。
しかし、意識がない場合などは嘔吐物で逆に窒息してしまう場合もあります。また、薬の包装紙やPTPシート(錠剤タイプの薬が疱瘡されているプラスチック製のシート)ごと飲み込んでしまっている場合などはシートなどの角で食道が傷つくことがあり、必ずしも吐き出すことが良いとは限りません。
自己判断で無理に吐かせたり、逆に水などで流し込もうとしないで、まずは専門家の指示を聞きましょう。
相談窓口
・子ども医療電話相談
連絡先 #8000
・救急安心センター
連絡先 #7119
地域によって対応時間や実施状況は変わってきますので、事前に自分の住む地域の対応状況を確認しておきましょう。
局番なしで「#8000」や「#7119」をダイヤルすると、各都道府県の相談窓口に自動で転送されます。
相談時にあればよい情報
相談する場合には以下の情報があるとよいです。というより聞かれます。
- 誤飲した可能性があるお薬の名前
- いつ誤飲したか
- 誤飲した量はどれくらいか
- 現在のお子さんの状態
大切なのは「何を」「いつ」「どれくらい」飲んでしまったのかということです。
誤飲した可能性があるお薬の名前
まずは、薬のシートや袋、家族の持っているお薬手帳や医薬品情報書などから、何のお薬を誤飲した可能性があるのか確認しましょう。
また、薬だけでなく、包装紙やシートを同時に服用した可能性がないかも確認しておきましょう。
いつ誤飲したか
薬をいつ頃、誤飲した可能性があるのか確認しましょう。
多くの薬は、服用後に胃で崩壊し、胃や腸から吸収され、体内を巡って尿や便などとともに排泄されます。
ただし、薬によって、服用後から吸収までの時間、効果や副作用が出るまでの時間、排泄されるまでの時間には大きな差があります。
誤飲した時間がわかれば、今出ている症状が薬によるものなのか、今後どのような症状が出る可能性があるのか、そういった判断の材料になります。
誤飲した量はどれくらいか
誤飲してしまった薬の量がどれぐらいであったかという情報は非常に重要です。少ない量であれば健康被害がほとんどないような薬であったとしても、一度に多くの量を服用してしまうと、それだけ健康被害のリスクは高くなります。
どれくらいの量を飲んだ可能性があるのかは、できるだけしっかり確認し、正確に伝えるようにしましょう。
誤飲したお子さんの年齢や体重
薬を誤飲したお子さんの年齢等によって対応が変わる場合があります。現在の年齢(月齢)や体重を日頃から把握しておきましょう。
現在のお子さんの状態
誤飲してしまったお子さんの状態はよく観察しましょう。元気があるか、意識ははっきりしているか、顔色はどうか、悪心・嘔吐はないか、痛みを訴えていないか、いつもと違う様子はないか、などです。
一刻も早く救急搬送が必要な状態なのか、救急車を呼ぶほどではないのか、あるいは自宅での経過観察でよいのか、といった判断に必要です。
ただし、自宅での経過観察を指示された場合でも、お子さんの様子に変化がないかの確認はしばらく必要です。どれくらいの期間、経過観察すればよいのか、指示を仰いでおきましょう。
いざ、病院へ行くとなった時にもっていくもの
・誤飲した薬の現物(空シートや空容器も含む)
何を飲んだか特定できない場合は、手持ちの薬を全て持って行きましょう。
・お薬手帳や薬情(医薬品情報書)など
誤飲を防ぐために
小さなお子さんのいるご家庭では、薬の誤飲が起こらないように未然に防ぐことがなにより重要です。薬の保管方法については以下の記事を参考にしてください。
もし、子どもが薬を誤飲してしまった場合には、すぐに専門家に相談し、正しい処置を行うようにしましょう。
まずは冷静に!ということを忘れず、落ち着いて対応しましょう。