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目薬の開封してからの使用期限は?

目薬は開封してからどのくらいの期間、使ってもいいものなのか。その答えは、どんなにキレイに使っていたとしても最長1ヶ月です。

今回はその理由について紹介したいと思います。

点眼薬は無菌製剤

 薬というのは全てが「無菌」でつくられているわけではありません。もちろん、口にするものもありますから、一定の清潔さは担保されているといって間違いないですが、普通の錠剤やカプセル剤などは「無菌」とはされていないのです。

みなさんが口にする食品なども「無菌」とは限りません。むしろ「無菌」状態を担保して製造されているものは少ないでしょう。

ちなみに「無菌」の定義は、定められた方法で対象微生物が検出されない状態をいい、「無菌製剤」とは、無菌であることを検証した製剤のことを指します。

 そんな中、必ず「無菌」で製造されなければならないと日本薬局法で定められている薬があります。その代表的なものとして注射薬点眼薬眼軟膏剤があげられます。






 今回のテーマである点眼薬はこの「無菌」を担保して製造された薬剤です。

無菌状態とは

 点眼薬の無菌状態は開封するまで、つまり開封の中身の状態をさします。

どんなに気をつけて使用したとしても、開封した瞬間から「無菌」を保つのは難しくなります。
添加物として防腐剤が配合されていたとしてもです。

そのため、点眼薬には開封後の使用期限が存在します。

点眼薬の使用期限

 未開封の点眼薬の使用期限は多くの場合、点眼薬の本体に記載されています。ただし、この使用期限はあくまで未開封の状態で保管されていた場合の期限です。
つまり、開封後の使用期限ではありません。


 成分によって安定性は様々ですし、開封後の点眼薬の保管方法によっても使い切るまでの目安は厳密には異なります。

例外はありますが、開封後は冷蔵庫保管が一般的です。


点眼薬の容器のさきが目やまぶた、まつげなどに触れてしまうと汚染のリスクが高くなります。
元々は透き通っていた薬液が濁っていると感じたり、蓋のまわりに白い粉が付いている時には使用をやめるようにしましょう。

点眼薬は適切に保管されていたと仮定しても、開封後約1ヶ月が使用期限です。それ以降の使用はやめましょう。



 ただし薬によっては成分の安定性の問題で、使用期限が1週間のものなどもあります。その場合は薬を受け取る際に説明されたり、使用期限についての説明書が添付されているはずですから、必ず確認しましょう。



容器を工夫した点眼薬も発売されています


 最近では、防腐剤を添加せずに清潔な状態を担保するために工夫された容器で発売されている点眼薬もあります。
二重構造でフィルターが内蔵されていたりすることで、微生物の侵入を防いでいます。使用方法は従来の点眼薬と変わらないよう工夫されていますが、1滴が出るのに少し時間がかかるものもあります。

 また、一回使い切りタイプの点眼薬もあります。片眼または両眼に1回で使い切り、そのまま捨てるタイプの点眼薬です。そのため、汚染の心配がありません。ただし、少々値段は高くつきますし、かさばるといった欠点もあります。








まとめ

・どんなにキレイに使っても 使用期限は開封後 1ヶ月!

・ただし、点眼薬によっては使用期限がもっと短いものもある!

・きれいに使うために容器のさきが目やまぶた、まつげなどが付かないようにする!