【薬剤師向け】リファンピシンは食後でもOK
リファンピシンは結核の治療薬として古くから使われる薬です。実は、昔からリファンピシンは食前に服用しなければならないと言われてきました。薬剤師の国家試験でも食前に服用する薬の代表例の一つとして、問われることの多い薬でした。しかし、最近では食前にこだわらないという見解が多くみられます。
今回はそんなリファンピシンという薬についてまとめてみたいと思います。
リファンピシン
参考:リファジン®カプセルの添付文書
用法用量(抜粋)
肺結核およびその他の結核症に対して
1回450mg 1日1回
原則として朝食前空腹時投与
添付文書ではこのように記載されていますが、実際の肺結核などでの処方では成人に対して1日あたり10mg/kg(体重)で計算されることもあります。
1カプセルあたり150mgの製剤のため、3カプセル(450mg)が結果として多いですが、4カプセル(600mg)での処方もあり得ます。
作用機序
RNAポリメラーゼ阻害薬
主な副作用
肝障害、皮疹・発疹、胃腸障害、血液障害など
薬物相互作用
リファンピシンはチトクロームP450 3A4(CYP3A4)をはじめとする肝薬物代謝酵素、P糖蛋白を誘導する作用があります。そのため、多くの薬剤との相互作用が報告されていますが、全ての組み合わせについて調査されているわけではないため、相互作用の報告がない薬であっても併用には注意が必要です。併用禁忌薬の多い薬としても有名です。
食事との影響
食後投与で血中濃度の低下がみられていることから、添付文書では原則として朝食前空腹時投与とされています。ただし、食後の服用でも実は効果には大きな差がないという報告がなされ、現在では食後に他の薬と一緒に確実に服用する方がよいとの見解もあります。
この薬の特徴の一つとして、他の薬との相互作用がある点があげられます。この薬を飲み始める時、あるいはこの薬を飲んでいる時に別の薬を飲み始める時には、医師や薬剤師に服用中の薬を必ず伝えるようにしましょう。また、食前の服用の薬が食後で処方されている場合であっても、このリファンピシンの場合は確実に毎日飲んで欲しいという医師の気持ちが表れていることを理解し、飲み忘れず服用するようにしましょう。