自覚症状がないまま感染⁉ クラミジア感染症を赤ちゃんに感染させないために
クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされる感染症です。
主な感染経路は性交渉で、尿道や子宮頸管、咽頭などへ感染すると言われています。
特に若い女性に感染者が多いことが問題となっています。
男性、女性ともに感染しても自覚症状がないことが多いため、感染に気付かず、パートナーへ感染を拡げてしまう危険性があります。
男性の場合、尿道炎を起こすことがあり、尿道の違和感や排尿時の痛み、尿道から膿が出るといった症状が見られることもあります。
女性の場合、尿道や膀胱に細菌が入りこむことにより、膀胱炎症状を引き起こすことがあります。子宮頸管炎が起きることもあり、その場合、おりものが増えたり少量の血が混ざることがあります。
炎症がさらに拡がり、腹腔内や時には肝臓の周りにまで感染が拡がることもあります。卵管に感染が拡がり、卵管炎を引き起こすこともあります。
●抗生剤の内服もしくは点滴
炎症による腹痛や発熱がある場合はパートナーの治療も重要です。どちらかが完治しても、性交渉により再度感染することがあります。同時に治療を行う必要があります。
クラミジア感染症の治療にはマクロライド系薬もしくはキノロン系薬、テトラサイクリン系薬の抗菌薬を使用します。
<代表的な薬>
○アジスロマイシン(ジスロマック®)
例)1000mg×1日1回 1日間
例)200mg×1日2回 7日間
○ミノサイクリン(ミノマイシン®)
例)100mg×1日2回 7日間
劇症症例においてはミノサイクリン100mg×1日2回の点滴でも可
3~5日点滴した後、内服に切り替えることが多い
○レボフロキサシン(クラビット®)
例)500mg×1日1回 7日間
○トスフロキサシン(オゼックス®)
例)150mg×1日2回 7日間
その他、クラミジア結膜炎などにはキノロン系の点眼薬などが用いられることもあります。
クラミジア感染症は自覚症状が出ないままのことも多く、妊娠検診の時に初めて感染していることを知る方も多い感染症です。
妊婦が感染していても、子宮内にいる胎児への影響はほとんどないとされていますが、分娩時に感染する可能性があり、胎児がクラミジアに感染すると結膜炎や肺炎を起こすことがあります。
妊娠検診でクラミジア感染を指摘された場合は出産までに治癒を目指しましょう。
妊娠時に使用を避けるべき抗菌薬もありますが、適切な治療でほとんどの場合、治癒すると言われている感染症です。
妊婦健診を必ず受け、必要な場合に必要な治療をきちんと受けれるようにしましょう。