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妊娠中のワクチン接種はどうしたらいいの⁉

妊娠中のワクチン接種ってちょっと怖いですよね。
「ワクチンを打ったことで胎児に何かあったらどうしよう」と感じたり、逆に「ワクチンを打たないで感染症にかかったらどうしよう」と感じる方はたくさんいます。

しかし、ワクチンの歴史は古く、その多くが妊婦にも使われてきました。
もちろん、妊娠中に使用できないワクチンもあります。

今回は、妊娠中のワクチン接種についてまとめてみたいと思います。

●インフルエンザワクチン

日本のインフルエンザワクチンの添付文書には妊婦への投与は予防接種上の有益性が危険性を上回る場合のみ接種することとされています。
同時に、小規模ながら、接種により先天異常の発生率は自然発生率より高くはならないという報告があるとも記載されています。

アメリカなどでは妊婦にはインフルエンザの予防接種が推奨されています。

①妊婦はインフルエンザに罹患すると重症化しやすい
②妊婦がワクチンを接種することで生後6ヶ月頃までの児のインフルエンザ罹患率を下げる報告がある
③胎児への影響は自然発生的なリスクと変わらない
④副反応は非妊娠時と変わらない

インフルエンザワクチンは免疫抑制剤(シクロスポリンなど)の長期投与を受けている人には効果が得られにくいとの報告もあり、免疫抑制剤を使用中の妊婦については接種の前にしっかりと検討する必要があるでしょう。

このようなことを鑑みた上で、最後は自身で投与するかどうかを決定する必要があります。

●麻しんワクチン、風しんワクチン、水痘ワクチン

妊娠中はこれらの生ワクチンは接種できません

しかし、日本は今でも麻しんや風しんが時折流行します。妊婦自身は予防接種を受けることができないため、夫など家族にこれらのワクチン接種を受けてもらいましょう。

B型肝炎ワクチン

妊婦の感染リスクが高い場合は妊娠中の接種が推奨されています。

●コロナワクチン (2021年9月現在)

コロナワクチンについてはまだまだデータはなく、現段階では妊婦のコロナワクチンの接種についてはよくわかりません。
しかし、日本でも海外でも妊婦も接種すべきだという報告がいくつも上がってきています。

生ワクチンではありませんから、受けてはいけないというものではありません。妊婦への投与でどういった影響が出るのかについては現時点では定かではありません。これは妊婦に限らずですが、コロナワクチンを受けるかどうかについては個人の判断に委ねられるというのが現状です。

コロナワクチンを打って何かあったらどうしようという不安が大きい方は受けずに出産後まで様子をみるという選択も間違いではないと思います。また、妊娠中にコロナにかかったらどうしよう(ワクチンを打ったからといって100%予防できるわけではないですが)という不安が大きい方は受けるという選択をしても、それも間違いではないでしょう。